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samedi 28 mai 2005

発言者のトレーサビリティを高める立法の合憲性

 「インターネット上で自分の見解を不特定多数人に宛てて公開するにあたっては、現実社会での人格とのトレーサビリティを一定程度以上維持しなければなら ない」とする法制度を採用することを考えてみましょう。

 この法制度の下では、インターネット上で自分の見解を不特定多数人に宛てて公開するにあたっては、自分の氏名等の個人情報を一定限度で他人に開示するこ とあるいは開示される可能性を作り出すことが求められます。そういう意味で言えば、ブログ社会における実名主義は、一定の限度において自己情報コントロー ル権(それを「プライバシー権」と表現するかは難しいところだと思いますが。)と衝突するとはいえるでしょう。しかし、「だから、ブログにおける実名主義 の法定は憲法に違反する」とは直ちに言えるものではありません。自己情報コントロール権は公共の福祉による内在的制約に服するからです。そして、匿名ブロ ガーや匿名コメンテーターが調子に乗って自由気ままな振る舞いを続け、他人に迷惑をかけ続けていれば、その迷惑行為を減少させるために自己情報コントロー ル権を制約する立法を行うことは正当化されやすいでしょう。特に、他人に危害を加える可能性を有する行為をなす者に対し、現実社会での人格とのトレーサビ リティを向上させる情報の公開を義務づけるということは、極めて一般的に行われており、当該行為をなす自由を著しく制約するものであるとは一般に考えられ ていないということができます(そして、表現活動は、他人に危害を加える可能性を有しています。)。

 前回のエントリーに対していろいろなコメントをいただきましたが、およそ批判として的はずれなものが多かったようです。

 お気楽系の日記であれ、会社の愚痴であれ、不特定多数人の目に触れ得る情報を発信するということは、他人に迷惑をかける可能性を不可避的に帯びるもので すから、それが他人に迷惑をかけたときに、現実社会での人格を、迷惑をかけられた人々からトレースされるのはやむを得ないというべきでしょう。それがいや であれば、不特定多数人の目に触れないようにすればよいだけのことです(EFFの例のコラムが前半部分でいっているのはそういうことです。)。不特定多数 人に宛てて「表現する」以上、その程度の責任は自覚すべきでしょう。

 「誰が語ろうと、面白ければいい」というのは明らかに間違いです。面白いからといって、他人に迷惑をかけることは我が国の倫理では許されておらず、迷惑 をかける度合いが一定の限度を超えれば法的にも許されないからです。「インターネット上であれば、他人に迷惑をかけても面白ければ許される」というもので はありません。

 「インターネット上では、匿名の陰に隠れてしまえば、誹謗中傷等他人に迷惑をかける言動を自由気ままに行える」という「既得権」に踏み込む言説に対して 感情的な反発が集まることは、他の「既得権」に踏み込む言説を行った場合に受ける感情的な反発のことを考えれば、想定の範囲内であったといえます。ただ、 「表現の自由」を脅かすものは、他人の表現活動により受けた迷惑を甘受して泣き寝入りしない被害者でもなく、被害者を気の毒に思う第三者でもなく、「表現 の自由」を他人に迷惑をかけて面白がるために濫用している加害者の存在であるということは、心に刻み込むべきでしょう。「匿名の陰に隠れて公然と他人の悪 口を言うことでやっとのことで社会との繋がりを感じ癒される人々」を放置しておくことを選択し続けるほど、表現行為の匿名性を絶対遵守すべきものと世間は 考えていないのです。

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Voici les sites qui parlent de 発言者のトレーサビリティを高める立法の合憲性 :

» 発言者のトレーサビリティを高める立法の合憲性 de オグリン サーカス
発言者のトレーサビリティを高める立法の合憲性 オグリンが新しいエントリーを書いてくれたわ。 でも、残念な事が一つだけあるわ! オグリンの主張より、コメンターのみなさんの�... [Lire la suite]

» 「絶対に荒れないブログ」機能案 de 音極道茶室
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「匿名性を守るために匿名性を規制する」。この一見奇妙なレトリックは、拙ブログでも何度か取り上げたサイバー法学者のレッシグ氏が「自由を守るために自由を規制する」と説いた意... [Lire la suite]

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いやあ、足のケガで家で大人しくしていますので、家族が買い物に行っている間に宿題を... [Lire la suite]

» なんで、ネットのコミュニケーションも実名制にする必要があるの? de ニューメディア規制を批判的に語ると共に、それらの物を理解して...
こちらで前々から色々と持論を展開している弁護士先生だけどw"ネットでブログなどを開く場合は、その個人の情報を公開してやるべきだ"って主張らしい別に公開するのは構わないと思う... [Lire la suite]

Commentaires

>JSFさま

あくまで一般論ですが・・・
>証拠を提示してください。証拠も無しに他人を
>悪者扱いする行為は許されません。
そのような事例は、もはや犯罪行為です(首相のような公選の公務員に対するものは別として)。根拠や証拠もなしに人を罵倒して悪者扱いする行為は刑法上の責任を問われます。
もっとも、そのようなことをする人は、刑法上の責任を問われる以前に、社会的信用を失うでしょう。

みなさん、小倉先生の主張されるとおり、人を「卑怯者」などと人を罵倒したりして人格攻撃するのは止めましょう。
上記小倉先生の見解を熱烈に支持したいと思います。

> 特定のコメンテーターを人格攻撃するのはやめてください。
うーん、今までの流れだと
「特定のコメンテーターを攻撃するのはやめてください」
という言い回しでもいいはずなんだけど。

 これまで「攻撃」といっていたのを「人格攻撃」と狭めちゃったというのは、逆に「人格攻撃じゃない攻撃」が存在することを認めたってことになっちゃう。
 この「人格攻撃じゃない攻撃」にはどんなものがあるのかという分析。
 そして「人格攻撃」するのは「やめてください」なら、「人格攻撃じゃない攻撃」は各々どうなの?と。

 「理詰めは攻撃に含まれますか?」という質問を投げているのはそのためです。

確かに特定に限らず人格攻撃はよくないから止めないといけませんね。

まあ私は疑問点を指摘したり批判したりしているだけですから該当しませんけれど。

いい機会ですから、不特定のコメンターを乱暴に批判するのももうやめませんか?Cortell教授やLessig教授についてのエントリをかかれているときの先生の文章はとてもチャーミングですよ。

特定のコメンテーターを人格攻撃するのはやめてください。

>福田さん
>少なくとも小倉さんもおっしゃるように、別途訴訟の提起をすることなしに、当事者間で紛争解決ができる程度のシステムが望ましいと思います

以前同じことを私が言ったときには、
http://fukudablog.blog6.fc2.com/blog-entry-16.html

>このエントリで「刑事告訴や民事訴訟を提起することなしに」が意味しているのは「当事者間の紛争を法廷に持ち込むことなしに」ということを意味しているのではなく、「当事者間の紛争を法廷に持ち込むために、わざわざサービス提供者に対する刑事告訴や民事訴訟を提起することなしに」を意味していることは明白です(「紛争の訴訟前の解決を図りやすく」というのは当事者間の訴訟を提起するための煩雑な手続きから解放されるということ)。


どっちなの?
皆さん裁判所には持ち込まないほう(=私が言ったほう=貴方が誤読と指摘したほう)で、貴方の発言を読み取ってますけどそれはよいのですね?

後から違うと言っても、今までが無駄になってもったいないので。

福田さんへ
>少なくとも小倉さんもおっしゃるように、別途訴訟の提起をすることなしに、当事者間で紛争解決ができる程度のシステムが望ましいと思います

これは、お互いに議論を出し合って意見の磨り合わせををするってことでしょうか?だとしたら実体を持った人間として合う必要は特に無く、BLOGで意見を交し合うだけで十分でしょう。
名誉毀損に当たるようなものであれば、裁判所に申し立てをし、裁判所の命令でプロバイダに個人情報を開示させることで解決できるので今と変わらないと思います。

もしも、気に入らない人間の個人情報を請求できるのであれば、一部の人間を2ちゃんねる用語で釣るようなblogやHPが沢山できると言えそうです。

>ROMってた匿名氏

>この現行刑事司法手続の迅速性に、民事訴訟手続の仮処分(提出命令)を組み合わせれば、あとはプロバイダの「仮処分応受義務(強制執行許容)」を明文化すれば、プロシージャー「システム」としても迅速にできるでしょう。

そういうことなんでしょうね。仮にそれ以上の「迅速な提出」を制定してしまうと事実上誰にでも僅かな手続きで個人情報を引き出せてしまうという状況を作ることになり、あえて匿名法律家氏が | mai 29, 2005 10:36 AMに発言した


>>裁判を行うために相手の身元確認を行うことはプライバシーの侵害には抵触するものはないでしょう。

> これを濫用して社会的に大問題となった消費者金融会社や街金融会社さらに闇金の民事・刑事判例をご存じないのですか?多数の被害者が全国的に発生したのですよ

の再来となるわけですから。

皆様に付言しますと……

この現行刑事司法手続の迅速性に、民事訴訟手続の仮処分(提出命令)を組み合わせれば、あとはプロバイダの「仮処分応受義務(強制執行許容)」を明文化すれば、プロシージャー「システム」としても迅速にできるでしょう。
市民の人権を司法審査抜きで私人が暴く(制約・規制する)なんてしたら、
  それを暴いてよいかどうかは誰が判断するの?
  判断した人は全責任がとれる?ビビらない?
との一番難しい問題が残るだけです。
誰が正邪を判断する主体となるかの論点は、福田氏が別件で例のごとく不不適切なゴリ押し引用した「人権擁護法案の賛否などは典型的な例でしょう。」が、この場合にマトモに妥当するでしょう。

皆様はご存知でしょうが……

プロバイダのアクセスログ(認証ログ等)や会員登録情報は、テクニカルな「システム」上は、画面に呼び出すのにせいぜい15~30秒以内、プリントアウトしても2~3分。
警察が差押え令状もってこられても、お約束の名刺交換から、令状の確認(大事な手続です)、データ呼び出し抽出(ログ・カット)、プリントアウト、差押え調書等の書類作成、押収物受領書の交付、バイバイのご挨拶……早ければ30分で終ります。サーバいじったことがある人なら、いわずもがなですよねぇ~、こんなこと。
福田氏のいう「手続の煩雑さは法的な厳格さに由来するというよりもシステムに由来するわけです」とは、明白な(1)嘘か、(2)口からでまかせか、(3)出鱈目なハッタリか、(4)妄想の産物か、(5)そもそもネットやサーバを全くご存じないか……のいずれかでしょう。
数か所のサーバを経由したトレーシング(たいていトレース・バック)でも、普通2~3日、急げば数時間(2chの集団自殺騒動や爆破予告を阻止・検挙した事例)でできます。
「○○は見てきたように嘘を書き」

 >irose | mai 30, 2005 09:58 PM|氏

  >?・・・それは「議論」では。

 私は「暴力」だと思っています。
 議論なら、匿名同士でもできますから。

> 福田 | mai 30, 2005 04:44 AM 氏

> 別途訴訟の提起をすることなしに、当事者間で紛争解決ができる程度のシステムが望ましいと思います

 ?・・・それは「議論」では。

>福田氏

他人の話を都合よく引用して文章書くのはいかがなものかと思います。しかも、貴兄の横レス反論に対する反論に対しては、いつも意見の「認識論」や「意図的に難解化した造語や造論」で逃げているようですが、それは貴兄の単なる思い込みや誤読や不勉強を正当化してませんか?
その道(業界・学会)の常識的ルールや暗黙のお約束(三角定数や「1+1=2」のようなもの)を無視した自己都合の「引用」を重ねても堂々巡りを重ねるだけではないかと思います。
もっと人の文章や質問を虚心坦懐真摯に読み込んで、誠実にお書きいただきたいと思います。ブログ主の小倉先生も内心迷惑だと思っていることと思います。
それと、中途半端な知識(半可通)で、専門用語や専門分野の理論を振り回すと、「あえて匿名法律家」さんのような専門家から、一刀両断にされたり(瞬殺)、疑問点マシンガンの応射を喰ったりで、立ち往生するか、当人が去るまで隠れているか、疑問に疑問で答える愚を犯すか、造語と造論で誤魔化すか……となる危険が高いです。ネットでは、結構その道の専門家や権威クラスの方が見ているからです。
貴兄の努力自体は買っていますので、その努力が真っ当な方向へ向かうことを念じて止みません。貴兄の間違った努力を惜しみます。
ご参考になれば望外の喜びです。

>福田氏

>当事者間で紛争解決ができる程度のシステム

名誉毀損などの罪状がある状況下では司法にゆだねるのが妥当であると思われますし、それ以外の場合は当事者間で何を解決するのかという問題が生じます。

もう一度お尋ねします。貴方の提唱するシステムとは
1:現行通りプロバイダ等のトレースの法整備と強化、訴訟時の開示請求の簡便化

2:一般ユーザーにも(訴訟を伴わないプロバイダへの開示請求も含め)トレースすることを可能にする

の、どちらでしょうか。

>Мышкинさん

少なくとも小倉さんもおっしゃるように、別途訴訟の提起をすることなしに、当事者間で紛争解決ができる程度のシステムが望ましいと思います(МышкинさんがHWJを一通りお読みになったことを前提としています)。より具体的なアーキテクチャについては私自身が技術者でも専門家でもないため、突っ込んだ議論ができないことをご理解頂いた上で(突っ込んだ具体案がなければシステム改変の立場を支持してはいけないということはないでしょうから)、今後のそうした議論に注目していきたいと思います。

>フレリシオ鈴木さん

そもそも私は「辞書」を意識しながら文章を書いているわけではありませんので、ご理解頂けなかったのは不本意ではありますが、基本的に先のコメントは最低限「あえて匿名法律家」さんとブログ主である小倉さんに伝わればいいというくらいの認識で書いておりますので、もし難解であるようでしたら読み飛ばして頂ければ幸いです。

>福田氏
それでどのようなシステムを提唱なさいますか?
まずは、トレース可能になる主体が、これまで通りプロバイダになるのか、ブログオーサ含む一般ユーザーにもトレースできるようにするのか。いずれにせよ、それをどのようなシステムで可能たらしめるのか。どれくらいのトレーサビリティを提唱するのか。そういう具体例があまり出てこなかったように思われます。

>あえて匿名法律家さま

私を助けていだいてありがとう。
私は一生忘れない、あなたの素敵なことを。
Obrigado, adeus!

>福田さん

あなたの日本語は難しくて意味がわかりません全然です。あなたは辞書にない言葉と言葉の意味が辞書に載っていないものを使わない法がいいと思います。読む人の立ち位置に立って、日本語を書いてください。よろしくお願いします。

>あえて匿名法律家さん

何も「表現の自由」の問題を軽く考えるべきだ、と言いたいわけではありません。手続の煩雑さは法的な厳格さに由来するというよりもシステムに由来するわけです(もちろんその意味での法論議はあってしかるべきです)。つまり人のふるまいというのは法だけによって規制されるわけではありませんから、憲法第31条とは裏腹に、法以外の側面において自由を奪われるようなことが起こり得るわけで、必ずしも法の蘊蓄に拘る必然性などどこにもないということを言いたかったわけです。その意味で「現行の法規制で十分」かどうかはシステムに対する視点を含めた上で導き出される必要があるのではないか、という至極単純な指摘をしたまでです。

「立法の余地を与えてしまいかねない」と言ったのは、あらゆる立法の根拠を恣意的に付与できるという前提に由来するものです。「具体例を」というご質問は妥当とは言えないでしょう。というのも、ある立法に対して立法事実があるかどうか、立法の根拠があるかどうかについての帰結は、採りうる立場によって異なるからです。人権擁護法案の賛否などは典型的な例でしょう。

>あえて匿名法律家様

 いろいろとたいへん勉強になりました。
 本当にありがとうございました。
 できればもう少しここにいてもらいたかったです。
 先生こそ、ご活躍されることを祈念します。

>皆様

 ブログの礼儀上、福田さんからの御返事をお待ち申し上げておりましたが、残念ながら所用の出発の時間となりましたので、これにて失礼させていただきます。短い間でしたが、皆様と交流できたことを大変うれしく思います。
 最後になりましたが、皆様のご健闘とご健勝をネットの隅から密かにお祈り申し上げております。
 「匿名」は死なず、ただ無名で消え去るのみ・・・。
 では、ごきげんよう。.....(((((/・o・)/

>佐藤様

 その判例は、あくまで「刑法の判例」ですから、発言者が発言者自身の「実名をさらしてまで……」というご趣旨であれば、一般論として
・刑法の名誉毀損罪や侮辱罪は成立しない
とは言えますが、他の法律に基づく法的責任までも免責しているわけではありませんから、
・他の法律に触れるかもしれない
・他の法律により民事責任を負うかもしれない
としか言えないでしょう。
 事案により、他の法律に違反して、不法行為として何らかの法的責任(たとえば民事損害賠償・民法709条)はあるかもしれません。
 ジェノサイドの言動とか犯罪を宣伝する行為とかは、これを違法と取扱うという条約の規定があります。(参考:国際人権規約-B規約-第20条1項 戦争のためのいかなる宣伝も、法律で禁止する。 2項 差別、敵意又は暴力の扇動となる国民的、人種的又は宗教的憎悪の唱道は、法律で禁止する。)
 そのような具体例は、法律相談の本職弁護士であらせられる小倉先生にお尋ねになるのがよろしいかと思います。小生は一介の無名な匿名法律家に過ぎません。具体的なご相談はご容赦いただければ幸いでございます(弁護士法の趣旨からも)。

あえて匿名法律家様

>オーサ(ブログ主と造語した人もいます)が、コメンテータ集団を批判しても名誉毀損罪も侮辱罪も成立しないし、気に食わないコメントはバッサリ削除しても言論弾圧の責任は問えません(オーサには検閲と発禁処分-アク禁処分-の権限がある。)。

 漠然とした集団名義をもってする名誉の侵害は、それが特定人に対する者ではない限り、犯罪とはならない(大判大15・3・24集5・117)ですか。
 「違法ではないという理由で、実名をさらしてまで公然と特定のカテゴリーの人々の悪口をいうことで名をあげる人々」は放置されるのですね。

>福田さん

 手前の「?」を全部パスしないで、できれば具体的にご返答いただければ、議論がかみ合って相互検証ができて良かったのにと思いました。残念です。

>さほど難しく考える必要はありません。

 表現の自由は、国政や人権保障で最大限の尊重を受けるべきですから(通説判例・先進国の国際慣習)、これを規制することについて、世界的規模で「皆さんが難しく考えている」のは自明です(憲法のテキストを一度読んでみてください。どの本にも書いてあります。)。

>憲法第32条で「何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪はれない」とありますから

 同条項のコンメンタールを読んでから再度ご再考ください。長くなって小倉先生にご迷惑をかけてもいけないので、こちらかの条文解説は省略させていただきます。

>裁判を行うために相手の身元確認を行うことはプライバシーの侵害には抵触するものはないでしょう。

 これを濫用して社会的に大問題となった消費者金融会社や街金融会社さらに闇金の民事・刑事判例をご存じないのですか?多数の被害者が全国的に発生したのですよ。

>また、プライバシーを強調する余り、公共の福祉に反するような表現を野放しにしてしまうと、却ってプライバシーを強力に制限するような立法の余地を与えてしまいかねません。

 プライバシーを「臣民の権利」に、「公共の福祉」を「国体護持」に、それぞれ置き換えれば、戦前から使い古された立論で、何の意味も中身もない抽象的な論法であることは歴史が証明しています。もっと誠実なご意見をお願いしたいと思います。
 もしそうでないとするなら、「制限するような立法の余地を与えた事実(「立法事実」のことです)」を具体例として摘示されてください。前記のような抽象的な理由による人権の不当な制約を防ぐ手段として、英米法で確立した「立法事実論」なのですから。
 手前は不勉強なのか、権利の濫用を立法事実とする過剰規制のような例は、寡聞にして知りません。逆に、最初から当局の規制のヤリスギで違憲だぁ!というものであれば、尊属殺違憲判決ないし薬事法距離制限違憲判決など、最高裁判例から次々摘示できますが・・・。
 ご所見の論拠を具体的にご説明されることをお願い申し上げます。

>争点は判決内容の是非ではなく、匿名者の身元確認のための手続が煩雑だ、という点ですから、ご提示の例だけで十分だとは言い難いと思います

既にその内容から逸脱してきていると思うのです。
小倉氏のエントリを見ると
>この法制度の下では、インターネット上で自分の見解を不特定多数人に宛てて公開するにあたっては、自分の氏名等の個人情報を一定限度で他人に開示することあるいは開示される可能性を作り出すことが求められます

これだけだと、「現行法でも訴訟になったら開示されている」ので、改めて何を言おうとしているのか判りにくいですが、

>そういう意味で言えば、ブログ社会における実名主義は、一定の限度において自己情報コントロール権(それを「プライバシー権」と表現するかは難しいところだと思いますが。)と衝突するとはいえるでしょう

こういうくだりが出てくること、又これまでの小倉氏の発言から、「訴訟以外の場合、あるいは司法関係者以外への情報開示」を意味するという解釈の妥当性がにわかに上がるわけです。

そういえばそもそも、誰がトレースするのかという主語が抜けているような気がします。トレースするのはプロバイダでしょうか。それともブログのオーサ等でしょうか。

>あえて匿名法律家さん

さほど難しく考える必要はありません。「たかだか悪口」と言っても、最初のコメントでご提示なさった例というのは法規制の対象であるわけですから不法行為に当たるわけです。憲法第32条で「何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪はれない」とありますから、裁判を行うために相手の身元確認を行うことはプライバシーの侵害には抵触するものはないでしょう。

また、プライバシーを強調する余り、公共の福祉に反するような表現を野放しにしてしまうと、却ってプライバシーを強力に制限するような立法の余地を与えてしまいかねません。その辺りをご理解なさった上で現行のシステムで十分かどうかご判断された方が宜しいかと思った次第です。

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