昨日は、ised@glocomの倫理研に出席してきました。
詳細な内容については、いずれ議事録がアップロードされるでしょうから、そのときのお楽しみということにしておきましょう。
さて、日本のネット社会を語る上で、「2ちゃんねる」的なものに対する立ち位置をどこに置くかということがかなり重要になってしまうということは改めて 思いました。私の場合、(匿名で)他人の陰口を叩くことによって「繋がり」を求めて癒されようとしている大衆に対しては、かなり冷ややかなポジションです から、発言者の現実空間での個体へのトレーサビリティを高めていくことに何の躊躇も感じない(内部告発者の保護は別個の仕組みを用意しておいたらよい、む しろその方がはるかによい)が、そういう「弱い人々」にまで優しい眼差しを向けてしまう論者は、そういうシステムを構築していくことによって、そういう 「弱い人々」(注1)の行き場がなくなってしまうことについて躊躇を覚えてしまう可能性はあります。
私も、ごく少人数のグループにしかアクセスできない(検索エンジンに検出されることもない)場所で他人の陰口を叩いてそのごく少人数間で「繋がってい る」にすぎない場合にはそれほど目くじらを立てるほどのことではないという考え方はあり得なくはないとは思います(例のEFFのコラムが前段部分で言って いることって、要はそういうことです。)が、不特定又は多数人がアクセスできる電子掲示板やブログなどで他人の陰口を叩くことは陰口を叩かれる者の名誉な り信用なり尊厳なりを傷つけたりその者を極めて不快な気持ちにさせる危険性が生ずるという点で「放っておけばよい」といえるものではなくなりますし、他人 のブログのコメント欄でその者の陰口(注2)を叩くことはその危険性をさらに高くしますから、技術的または法的な対抗策を 講ずることがよりいっそう必要となります。
5月15日付けの「CLick for Anti War 最新メモ」によると、作家の柳美里さんが開設していたブログが、卑劣なコメントスクラムに襲われ、閉鎖に追い込まれたようです。「2ちゃ んねる」的なものへのSympathyが高い論者ほど「ネタはネタとしてスルーすれば良かった」として柳さんの行動の方を批判することになるのかも知れな いのですが、自分の開設するブログのコメント欄に自分の属する集団に対する差別的な発言が大量に投稿されるという状態を──「スルー」というスタイルであ れ──なぜ甘受しなければならないのか、匿名で他人の陰口を叩くことによって「繋がり」を感じて生きていくというライフスタイルは、ブログというシステム から「コミュニケーションの双方向性」を相当程度犠牲にしてまで守らなければいけないものなのかということに私は大いなる疑問を抱かざるを得ません。
(注1)
ここでの「弱い」という言葉のニュアンスについては、ised@glocomでの議事録がアップロードされるのをお待ち下さい。
(注2)
この場合、あえて対象人物の目に触れるところで悪口を言っているので、正確に言うと「陰口」ではありません。
> Rédigé par: 鮎 | mai 22, 2005 12:48 AM
> 理詰めは「攻撃」に含まれるようですね
含まれますか。削除されてるって事はそうですよね。。
でも「理詰め」って、議論の基本というか第一に心がけるべきもので、議論の「あるべき姿」そのものなんですよね。 だから小倉氏定義の『攻撃』という言葉を使って「議論」を語ると、
・議論においては理詰めという『攻撃』を行うのがあるべき姿である
となる。 これをさらに言い換えると
・議論においては、行うべき『攻撃』が存在する
(それは「理詰め」である)
って事になるんだけど、とすると件のコメントを見直すと、
・『攻撃』は「誹謗中傷」だろうと「理詰め」だろうと不毛
と、小倉氏は解釈してることになる。
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で、「理詰め」は議論のあるべき姿なんだから、
> 単に私を攻撃することが目的であるコメントは、残しておいても不毛なので、削除します。
てのは
・議論は、残しておいても不毛なので、削除します。
と同じ意味になっちゃう、、よ???? えーっ!?
Rédigé par : irose | dimanche 22 mai 2005 à 01:29
> 単に私を攻撃することが目的であるコメントは、残しておいても不毛なので、削除します。
「理詰め」は「攻撃」に含まれますか?
確認まで。
Rédigé par : irose | jeudi 19 mai 2005 à 01:18
>傲慢との誹りを受けるのが一般的であることを、資料とともに示してください。
あのね、ここでほとんどの人が言っていることの資料というかソースはね、お父さんとお母さんだよ。
意味分かるかな。
Rédigé par : 平田 | mercredi 18 mai 2005 à 10:51
単に私を攻撃することが目的であるコメントは、残しておいても不毛なので、削除します。
なお、「弁天小僧」氏の発言が不当な誹謗中傷ではないと言い張り続ける人は、実名系ブロガーがその個人情報を日本語で懇切丁寧に(すなわちgoogle等を活用することなく、専らプロフィール欄を見ただけで、そのブログ主に関する個人情報が過不足なくわかるように)説明していないことにより傲慢との誹りを受けるのが一般的であることを、資料とともに示してください。
Rédigé par : 小倉秀夫 | mardi 17 mai 2005 à 08:19
私はここにおける先生との論争を楽しみにしているものですが(今一すれ違っているのが残念ですが)、確かにコメントでは、先生個人の人となりに関する発言や、先生の帰属する集団(たとえば弁護士業界)への発言は慎んだほうがいいと思います。
(それが陰口なり悪口だからです。)
一方先生の行った行為や、発言内容に関する意見や反論は、それが先生のお気持ちお考えに反しているとしても、許されるべきではないでしょうか。
(それは陰口や悪口ではないからです。)
先生がその差を峻別され、またそうした意見のなかで、もっとも真っ当と感じられたものに対する(レベルの低い意見に対してではなく)反論をお願いしたいところです。
Rédigé par : 中井亀之助 | lundi 16 mai 2005 à 10:13
>私の場合、(匿名で)他人の陰口を叩くことによって「繋がり」を求めて癒されようとしている大衆に対しては、かなり冷ややかなポジションですから、発言者の現実空間での個体へのトレーサビリティを高めていくことに何の躊躇も感じない(内部告発者の保護は別個の仕組みを用意しておいたらよい)
これだけ読むとまるで好き嫌いでトレーサビリティを論じているようにも読めるので、是非とも詳細な議事録を拝読したいです。
私は、特定のBlogを取り上げ、そこで論ぜられている内容の当否を語るのは陰口ではないと思いますし、そのことをもってプライバシーが犠牲にされる理由はないと思います(また、柳氏のBlogで発生したのは明らかな「嫌がらせ」であるので、これをあたかも典型例として持ち出されても困ってしまいます)。とはいえ、軽い気持ちで書かれたエントリに「真面目に反論」するのも無粋ですから、議事録で先生の卓見が披露されているのを期待しております。
Rédigé par : 佐藤 | lundi 16 mai 2005 à 00:56