話題の「情報フロンティア研究会報告書——個と個の連携を通じて知識創造プロセスの進化がもたらされる社会を目指して——」にざっと目を通しました。
情報フロンティア研究会は、現状の打破を地道な啓蒙活動により行うことを目指しているようです。
ICTの利活用という側面からみると、現在日本社会は大きな課題に直面している。それは、情報化社会の複層化ともいうべき、ICTの中核技術の普及層が分化している傾向である。携帯電話による文字通信のような比較的簡便なICTの利活用は広く一般に普及している。しかしながら、本来知識創造プロセスの変革をもたらすようなPC等を用いたより高度な利活用については利用者が一部の層に限られており、とりわけ教育歴の差が高度なICTの利活用経験の有無と強い相関関係を持っていることが判明している。
との点については、言わんとしていることは理解できます。「判明している」といえるだけのデータを取ってあるのかは知らないのですが。
さらに、日本の社会では情報ネットワークが匿名であるという認識に基づいて色々な活動が行われているがゆえに、社会生活全般においてICTが利活用されていく活力が高まらず、社会心理的なデジタルデバイドと言うべき、サイバースペースへの忌避感が拡がっている。そのため、ある程度高度なICTを活用している層においても、その活動量、活力は、他の社会に比べて低いことも指摘されている。
との点についても、私には理解できます。匿名の陰に隠れていられる方々以外の人がサイバースペース上で情報発信を行っていくというのは、現在の日本ではかなりの覚悟が必要です。少なくとも、法学系についていえば、ブログ開設者すら数えるほどしかいないのが実情です。また、高度な内容の情報発信を行える方のブログ等において、卑怯系コメンテーターによる「荒らし」を嫌うがあまり、コメント欄を閉じたり、人によってはトラックバックすら受け付けないようにしてしまう例は少なくありません。
さらに、報告書は、「ネットワークの信頼性を高められるか否かは最終的には利用者のモラルに関わるところが大きい」とした上で、「この観点からみた場合、日本社会では、ネットワークを利用する者としての自覚が社会的に十分に形成されているとは言い難い。とくに、サイバースペースが匿名性の高い空間として認識され、極端な場合、ばれなければ何をしてもいいという安易な発想すら助長する傾向を持っている」と分析します。他方、「現実の世界では日本は依然として個人のモラルは高い国である」ことから、「現状の問題はむしろ現実世界でいうところの躾といったものがサイバースペースに関しては何ら体系立って行われてこなかったことも大きな原因である」と結論づけます。
それゆえ、研究会の提言は、現実の世界での個人のモラルをサイバースペース上でも定着させることに向けられます。そのための一手段が、義務教育段階において、「ICTにより実現されるバーチャルな環境を、現実社会と同じ感覚で活用すること、すなわち、サイバースペース上で実名又は特定の仮名で他人と安全に交流することを自然の術として身につけるための教育が必要である。具体的には、ブログやSNSの仕組みを学校に導入すること」です。ここで、報告書に「実名又は特定の仮名」とあることを重視される方もおられるようですが、むしろ「サイバースペース上で他人と安全に交流することを身につける」ということに報告書は力点を置いているように見えます。というのも、報告書は、続けて、「学校の中でセキュアなネットワークを整備した上で、児童・生徒が自らのアカウントを持ち、実名でブログやSNSを用いて他の児童・生徒と交流することでネットワークへの親近感を養うとともに、ネット上での誹謗中傷やプライバシー侵害等に対する実地的な安全の守り方も同時並行的に学ぶことが重要である。」としているからです。
報告書は、義務教育を終えた者に対して高度なICTリテラシーを授ける手段として、「地域住民の結びつきを深めることを主目的としたSNS」を各地で立ち上げることを提唱しています。どちらも、現実社会でのモラルを維持した状態でサイバースペースを活用することに慣れさせることを目指したものといえそうです。どうしても匿名でなければ言えないことであって匿名を用いてでも言わなければならないこと以外のことを匿名を用いて語ることは恥ずかしいことであるということがサーバースペースの利用者たちの間に定着していくのであれば、今日の日本のネット社会の質的低迷状態を克服する役に立つかもしれません。
さらに報告書を読み進んでいくと、
また、ユビキタスネット社会で全ての人が個人ポータルを持ち、コミュニティの場を利用して個人間で情報をやりとりする場合、現在のような匿名性の高いものだけではなく、利用者の顕名性又は特定性が強く求められる。この場合、現行の認証機能はほとんどが認証の根拠となる制度に基礎を置く集中管理方式であり、ダイナミックにコミュニティを組成して行う個人間情報流通における個人認証に柔軟に対応できない可能性が高い。
従って、個人間情報流通の際に今後必要となる膨大な個人間の信頼関係構築を端末レベルで分散して処理するために簡便な信頼関係構築方式の開発を進める必要があり、具体的には、公開鍵方式等による個人間の簡便な信頼関係構築の仕組みの可能性について、実証実験による検証を行う必要がある。
との記載があります。すなわち、「コミュニティの場を利用して個人間で情報を送受信する場合、利用者の顕名性又は特定性が強く求められる」ということを前提として、「具体的には、公開鍵方式等による個人間の簡便な信頼関係構築の仕組み」の可能性を検証すべきとしています。
前提部分の認識自体は私が言い続けていることと共通していますし、情報発信者のトレーサビリティを確保するために公開鍵方式が有効なのであればそれを用いることに異存ありません。問題は、現実社会ではとてもできないようなことを行うために匿名性を維持したいという、いわば「匿名利権」に執着するネットワーカーが少なくない現在の日本で、公開鍵方式であれ何であれ、情報発信者のトレーサビリティを高める仕組みを実際のサービスに組み込むためには、市場原理に委ねることはできず、ある程度法的に強制していかなければいけないということです。
http://benli.typepad.com/annex_jp/2005/07/post_1.html
民事と刑事エントリによれば、私の読み方にそう誤解はなかったようですね。
となると。
>この程度の「匿名性の制限」を行ったからといって、フランスでは、「言いたいことが言えなくなった」わけではないようですし、ネット上で発言した者が犯罪に巻き込まれる事態が多発しているわけでもなさそうです。
やはり「この程度」を越える「匿名性の否定」――
>そういうことを考えると、登録された発信者情報の開示先を「司法当局」に限定してその後の進行を専ら刑事手続きに委ねるより、被害者が簡便に発信者情報の開示を受けられるようにして、紛争を民事的に解決する手段を用意しておいた方がよいように思います。
――「この程度」を越える、フランスの例を越える「匿名性の否定」を考えている小倉先生の意見では、言いたいことがいえなくなる危険性が否定できないということなのでは……?(×д×)がぼーん
Rédigé par : サスケット | lundi 11 juillet 2005 à 04:28
こんにちは。卑怯で間抜けな平田です。
貴方が某所で「プロクシを使わないのは間抜け」と書いているのを拝見しました。貴方は某所で書くときにはプロクシを使っているんでしょうか?間抜けなのは私だけでしょうか?それとも誹謗中傷をしなければOK、ということですか?それなら私も全く誹謗中傷をしてないので大丈夫ですね。もしかしてここでプロクシ刺してないのは私だけ?
のってきたので歌を歌いたいと思います。
法曹界には、反対意見を書かれるのが怖くてブログを開設できない人が少なからずいるようです。
ど~でもいいですよ~
法曹界には、自分の意見は常にすばらしいので実名で発言しなければ損だと思っている人が若干名いるようです。
ど~でもいいですよ~
日本語も正しく読み書きできないのにスペイン語が趣味な人がいて、ブラジル人に丁寧に挨拶されてるのに意味が解らず返事ができない失礼な人がいるそうです。
ど~でもいいですよ~
Rédigé par : 平田 | samedi 09 juillet 2005 à 19:12
Ogura-san, Ici la Anonymous Coward.
Je n'ai pas compris votre indicatif(ID).
Est ce que vous parlez "Anglais"? ; "
C'est les vacances."
Voulez-vous me donner mon controle, s'il vous plait?
Dites-moi, s'il vous plait, comment on dit en francais:"TOKUMEI NO HIKYOMONO TACHI"?
C'est tres bien ca!
Les meilleurs et bonne TOKUMEI !
Bonne chance!
Rédigé par : Anonymous Coward | vendredi 08 juillet 2005 à 23:21
>この程度の「匿名性の制限」を行ったからといって、フランスでは、「言いたいことが言えなくなった」わけではないようですし、ネット上で発言した者が犯罪に巻き込まれる事態が多発しているわけでもなさそうです。
拝啓、小倉先生。引用されたフランス法の原典かコンメに当たられることをお勧めします。この条項は、匿名顕名を問わず著作権者の保護を立法趣旨とするもので、匿名性の制限の根拠に引用するのは明らかに誤用で間違っています。
訂正方をお願いします。
Rédigé par : Anonymous Coward | vendredi 08 juillet 2005 à 16:44
法の素人な上にフランスも素人なので、詳細なことはいえないのですが。
(「私信以外」とか、「オンライン通信サービス」とか厳密な言葉の定義も不明ですし。)
描いてある内容から読み取るに――
>「私信以外のオンライン通信サービスの内容(コンテンツ)作成・公開を職業とせずに行う者は、匿名を守るために、第43ー8条で定める役務提供者の氏名、名称又は社名、及び住所のみを公共の用に供すればよい。ただしそのためには、この役務提供者に対し第1項に定める身元確認のための要素を登録しておかなければならない。」
一般人はプロバイダーに登録しておきなさいって言うことかな?(この役務提供者に対し第1項に定める身元確認のための要素を登録しておかなければならない)
これを見る限り、趣味でやってる人も匿名を守ることはできるようですね。やはり、フランスでも、私的な活動に対するプライバシーは守られるようです。
ま、仕事としてやる人間はむしろ、(有償無償にかかわらず)信頼性が求められるはずなので、日本とそぐわないと言うこともないと思いますが、そこは論点から外れるので置いといて。
>この程度の「匿名性の制限」を行ったからといって、フランスでは、「言いたいことが言えなくなった」わけではないようですし、ネット上で発言した者が犯罪に巻き込まれる事態が多発しているわけでもなさそうです。
そして、こういった「匿名を守りたい」一般ピープルに、小倉先生の言うような共通IDや「訴訟できるくらいの情報は簡単に引き出せる」を達成するような場合、
『この程度の「匿名性の制限」』を更に上回る制限を課そうということになります。
この場合はもっと危険になるかもしれないと言うことですね。
危険性以上に、プライバシーの侵害の問題もありますが。
しかし、フランス法は、「被害者を名乗る人物が無審査ですぐにアクセスできるところに発信者の氏名・住所等が確実に登録されている必要がある」などと言っているのでしょうか?
ちょっと提示された内容からは逆の読み取りしか出来ませんでした。
-------
ちなみに「参考にしてください」が消えてしまったので再掲。
www.soi.wide.ad.jp/class/20030037/slides/10/17.html
Rédigé par : サスケット | mardi 05 juillet 2005 à 00:07
>公開鍵方式の暗号だと、どのようにしてトレーシングが容易になるのでしょうか?
うーむ。ツラウさんが首をかしげるのはわからないでも無いんですよね。
小倉先生が
>情報発信者のトレーサビリティを確保するために公開鍵方式が有効なのであればそれを用いることに異存ありません。
と言っているのは、引用ミスだと思いますから。
>従って、個人間情報流通の際に今後必要となる膨大な個人間の信頼関係構築を端末レベルで分散して処理するために簡便な信頼関係構築方式の開発を進める必要があり、具体的には、公開鍵方式等による個人間の簡便な信頼関係構築の仕組みの可能性について、実証実験による検証を行う必要がある。
この原文はたぶん、PKIだと重過ぎるのでPGPもうまいこと利用していきましょうねって話だと思われます。
公開された個人情報が正式かどうかの話をしているはずなので、「個人情報の秘匿を禁止する顕名性」をターゲットにしているわけではないんですよね。
>前提部分の認識自体は私が言い続けていることと共通
としていますが、報告書の前提は「個人情報を伝え合う必要のあるんだけど場所集中管理だと追いつきません」と言う話であり、小倉先生の今までの問題個所は「個人情報を伝え合う必要はないんだけど、伝え合うべきだ」ですからして。元もとの「顕名性又は特定性」の使用用途が違いますからね。
(確かに、「情報発信者のトレーサビリティを確保するために」、発信個人情報の信頼性が必要なのは確かなのですが。発信個人情報の改竄とか対策で。)
だから、ツラウさんが深く疑問に思うのはわかるのですが、最終的な結論としては、別に小倉先生は、公開鍵方式の暗号を『使おう』といってるんじゃないですよー。
キモはですね。
・匿名は(主に)現実社会で出来ないアホウな行為のために利用する。
・故に撲滅すべき
・現実社会で出来ないアホウな行為をしようとする「匿名利権」に執着する人間が多い
・執着者に拒否されるから市場原理による自然発生でまともな内容は期待できない。(技術基盤は何でもいいけど)実現したいならある程度法的に実名の強制が必要。
と言うことです。
小倉先生的には実名を暴く手段は何でもいいんです。
と言うことでそこら辺の疑問は、無かったことにしておかないと論点がずれるかな、と。
まあ、なんと言うか……
>現実社会ではとてもできないようなことを行うために匿名性を維持したいという、いわば「匿名利権」
これ以外の匿名利権が未考慮なことについて突っ込むべきじゃないかと。
プライバシー問題とかについて突っ込むべきじゃないかと。
個人的にはそう思う次第。
二年も前にやってますから参考にしてください。
↓
http://www.soi.wide.ad.jp/class/20030037/slides/10/17.html
Rédigé par : サスケット@弁護士派 | lundi 04 juillet 2005 à 23:53
初めまして、と。
色々思うところもあったので、うちのblogからもTB貼らせていただきました。
書きたいことの80%以上は書いたつもりですので、見て頂ければ幸いです。(別にお返事いただきたい、というわけでもありませんが。)
あと、メールアドレスに関しては、半角アンダーバー(_)をスパム対策でいれてますので、メール送信されるのでしたら消していただければ届くかと思います。
Rédigé par : 朱 苗牟 | lundi 04 juillet 2005 à 21:51
> 前回のアタシのコメントに対する小倉さんの投稿を
> 拝見すると、日本の法律では問題が起きた場合に英
> 語で言うところのSubpoenaを得るのに時間がかかる
> ということと、それに応じるのに、アタシが住んで
> いるアメリカでは考えられないような時間がかかる
> ようです。
>
> 法律を改善してネット社会を居心地の良いものにす
> るというのがテーマであったら、実名参加を強制す
> ることよりも、こうした情報の開示をいかに早める
> かに焦点を絞った方がいいのではないでしょうか。
問題がある発言をした発信者について、発信者情報の開示を確実かつ迅速に行うには、米国法のSubpoenaのように、発信者情報開示のための手続きを簡便化する必要があると同時に、被害者から見てすぐにアクセスできるところに発信者の氏名・住所等が確実に登録されている必要があります。
フランスの視聴覚コミュニケーション法は、
第43−10条第2項で、
「私信以外のオンライン通信サービスの内容(コンテンツ)作成・公開を職業とせずに行う者は、匿名を守るために、第43ー8条で定める役務提供者の氏名、名称又は社名、及び住所のみを公共の用に供すればよい。ただしそのためには、この役務提供者に対し第1項に定める身元確認のための要素を登録しておかなければならない。」とします。第1項の定める身元確認のための要素とは、自然人の場合、その姓名及び住所です。なお、コンテンツの公開を職業として行うときは、氏名・住所の公表が義務づけられています(第43−10条第1項)
第43−8条の役務提供者とは、「私信以外のオンライン通信サービスで得ることができる信号、文字、影像、音声又は全ての性質のメッセージを、公衆の用に供する目的で、直接かつ永続的にストックすることを無料又は有料で請け負う自然人又は法人」をいうと定義されています。
第43−9条第1項は、第43−8条の役務提供者に対し、「提供されるサービスの内容(コンテンツ)創作に関わったすべての者の身元確認を可能とするデータを所有及び保管しなければならない」とした上で、同第3項において、司法当局は第43−8条の役務提供者に対し、上記データの提出を要求することができるとしています。
この程度の「匿名性の制限」を行ったからといって、フランスでは、「言いたいことが言えなくなった」わけではないようですし、ネット上で発言した者が犯罪に巻き込まれる事態が多発しているわけでもなさそうです。
Rédigé par : 小倉秀夫 | lundi 04 juillet 2005 à 20:06
>小倉先生、ご教授ください
先生は
>情報発信者のトレーサビリティを確保するために公開鍵方式が有効なのであればそれを用いることに異存ありません。
と主張されています。
暗号学を少しかじっただけの私ですが、このような見解は初めて聞きました。そこでお手数ですが、公開鍵方式の暗号だと、どのようにしてトレーシングが容易になるのでしょうか?
トレーシングを容易にするのは、たとえば、ディフィー(Whitfield Diffie)やヘルマン(Martin E. Hellman)が××テキストの○○で………と言っている、などと先生十八番の引用でご教授いただければとてもうれしいです。
それから、先生もご存知のとおり、公開鍵暗号方式は、素因数分解やハッシュ関数(楕円曲線もあります)なんかを使うため、ものすごくマシンパワーやリソースを使って実行速度を低下させますし、全てのネットワーク上の通信に公開鍵暗号による認証を強制したら、トラフィックの輻輳が危惧されます(シャノンの定理までは参照しなくていいですよね)。
これに対する対処はどのようにしたらいいと思いますか?ご教授ください。
Rédigé par : ツラウ安芸 | lundi 04 juillet 2005 à 17:12
>匿名を用いてでも言わなければならないこと以外のことを匿名を用いて語ることは恥ずかしいことである
この見解には全面的に反対です。なぜ匿名が恥ずかしいのですか?論証してくれませんか?
そもそも実名匿名を問わず、一方的に他人を見下して頭ごなしに罵倒する方(傲慢系罵倒系ブロガ-)、○○を曝すぞと恫喝する方(曝し系恫喝系ブロガ-)などの方がよっぽど恥ずかしいと思うのですが違うのでしょうか?
先生の厳格実名主義は存じ上げてますが、論旨に飛躍がありすぎてこのままではついていけません。ご説明をお願いします。
Rédigé par : ツラウ安芸 | lundi 04 juillet 2005 à 16:44
>テ一驚
は提供の誤字変換です。
ついでなので言わせて頂くと、匿名の影に隠れて特定の相手を誹謗中傷するようなバカなどは大嫌いです。
小倉さんのネットは実名で参加せよという案には断固反対の立場ではいますが、だからと言って、こちらで問題にされている「卑怯系のブロガーによるコメントスクラム」は容認していません。
前回のアタシのコメントに対する小倉さんの投稿を拝見すると、日本の法律では問題が起きた場合に英語で言うところのSubpoenaを得るのに時間がかかるということと、それに応じるのに、アタシが住んでいるアメリカでは考えられないような時間がかかるようです。
法律を改善してネット社会を居心地の良いものにするというのがテーマであったら、実名参加を強制することよりも、こうした情報の開示をいかに早めるかに焦点を絞った方がいいのではないでしょうか。
一番いいのは問題が起きるのを回避する方を思いつくことですが、問題が起きた場合の瞬時の対応の仕方について法律を改善するように動いた方が、より多くの問題を回避することの役立つのではないかという気がします。
Rédigé par : koneko04 | lundi 04 juillet 2005 à 16:33
このコメント欄に集まる話の流れを無視して、自分が考えていることを書きます。
うちの子は4歳くらいの時からネットにデビューしています。その際に注意事項として、決して本名を名乗るな。ネットで何かを投稿する際にはハンドルネームを使うようにと言い聞かせています。
日本のどちらかの学会やらどこなのお役所などで、小学生の頃から本名を名乗りネットに参加することを奨励するなどということがあるようですが、アタシは絶対にそのような動きには同調できませんね。
どこの誰が見ているかわからないのに、本名やら住んでいる場所が特定できるような形でネットに参加したら、子供をかどわかそうというような犯罪者予備軍などに付回される可能性を高めることになりますよね。
親として、子供の身が危険に晒されるような事態などには、断固反対の立場を取ります。
☆実名でブログを運営することに拘る方は、お金を払い自分が納得ができるレベルのサービスをテ一驚するアクセス解析でも探せばいいのです。自分の身は自分で守るべきであり、そういった初歩的な努力を惜しみ、匿名の卑怯系のコメンターにスクラムにあったなどと泣き言を言っているのだとしたら、恨む相手が違いますね。
不特定多数の目に触れる場所にあえて実名で意見を表明することにしたのであれば、想定できるリスクを自分でマネジメントすることなく足をすくわれた己の愚かさを悔いることを忘れてはいけません。
Rédigé par : koneko04 | lundi 04 juillet 2005 à 16:17
小倉先生(質問)>
>市場原理に委ねることはできず、ある程度法的に強制していかなければいけないということです。
先生のアイデアをシステム化するために「共通ID」構想等を開発中ですが、提案者の先生のご趣旨をなるべく反映したいと思っております。
そこで質問します。上記の「ある程度法的に強制」とは、具体的にどのようなことをお考えですか? 具体的にはいかなるイメージを持たれていらっしゃいますか? A4用紙1枚程度のグランドデザイン草案でいいですからご教授ください。
よろしくお願いします。
Rédigé par : FR@仏国移動中 | lundi 04 juillet 2005 à 14:21
お初に御目文字いたします。
コメント自体はトラックバック先に書かせていただきましたが。ちょっとはてなさんの調子が悪いようで、トラックバックが二重に送信されてしまいましたの。
謹んでお詫びするとともに、できましたら片方を削除していただけたら、と思いましてコメントを残させていただきましたわ。
追伸:コメントを残すのに、Emailアドレスが必須になってたんですけれども。ロボットなどの自動収集でspamが増えるのを怖がっておりますので、サイトに掲載しておりますのとほぼ同様の「偽アドレス」にさせていただきました。
本アドレスは、サイトの下記を参照していただければと思いますの。
Rédigé par : Lucrezia | lundi 04 juillet 2005 à 12:40
koneko04サンのハナシー。
>利用者の「氏名及び住所」程度の情報は、零細企業だって管理しているところが多いです。そして、それら零細企業を含めてしっかりと管理することを義務づけた個人情報保護法は既に施行されています。したがって、コスト論的なkoneko04さんの危惧は、もはや手遅れです。
>Rédigé par: 小倉秀夫 | juillet 3, 2005 11:25 AM
コレは間違ってますね。
なぜなら『今まで個人情報を扱わないことをもって「個人情報保護対策」としていたところに*も*個人情報をもたせる』という小倉先生のアイデアからすると、手遅れどころかそこはこれから考えるべきところですから。
と言うか町村さん宅で私が問題とした話もそこを含んでますよ?
おかしな論法で誤魔化しちゃ駄目ですよぅ。
そこ(新しいところ)がキモでしょ?
Rédigé par : サスケット@左寄せ | dimanche 03 juillet 2005 à 23:55
私には、「情報フロンティア研究会報告書」を利用して意図的に議論を振り出しに戻したようにしか思えないエントリです。(私が読んだ限りでは、この報告書はネットワーク社会を俯瞰的に見て指針を提案しているようにしか思えません。間違っても実名匿名の問題に特別触れているようには思えません。)
事実、貴方がこのエントリで主張していることは今までの主張と何も変わっていないようです。変わっていないこと自体はなにも問題ないのですが、ならば新エントリなど必要なく今まで積み残している質問に答えれば議論はむしろ進むと思われます。にもかかわらず、あえてエントリを立てるのは積み残した質問をなかったことにしようとする意図があると思われても仕方ないように思います。
内容に関しても
>卑怯系コメンテーターによる「荒らし」を嫌うがあまり、コメント欄を閉じたり、人によってはトラックバックすら受け付けないようにしてしまう例は少なくありません。
という根拠のない決め付けが未だに行われています。「荒らし」を嫌ってそんなことする人は少ないです。「荒らし」はほって置けばなくなることは切込隊長さんという方のブログで証明されています。(一ヶ月もかからず収まってます)コメントもTBもブログでは自由なんでなければならないわけではありません。貴方はもしかしてコメント欄のないブログは全て「荒らし」を気にしていると思っているのでしょうか?だとしたら根本的にブログやネットを勘違いしているとしか思えません。
それから
>前提部分の認識自体は私が言い続けていることと共通
といっているところの前提部分とはどこを指すのか分かりません。私には貴方が言い続けていることとの共通する部分はどこにも見出すことができません。教えてください。
Rédigé par : 平田 | dimanche 03 juillet 2005 à 22:43
>中井さん
>「総務省情報フロンティア研究会報告書を読み解く」小倉先生プラス福田さん?
面白そうですね。私がお役に立てるか分かりませんが、もし必要な時があれば、是非お声をお掛けください。
Rédigé par : 福田 | dimanche 03 juillet 2005 à 18:44
小倉さんへ
>右派の方々は
右派って誰の事を指すのですか? 具体的に挙げて見てください。
ちなみに私はこの間、「表現の自由を守ろう!人権擁護法反対!」と言っている人に法解釈面でツッコミを入れたら左派扱いされてしまいました。
どうやら私は左翼のようです。ちなみにサスケットさんは左翼を応援する隊長さんとして有名です。
Rédigé par : JSF | dimanche 03 juillet 2005 à 17:41
それでは、グローコムと総務省の両方に打診をしますので(おそらく主旨は問題ないはず)、都合のつくスケジュールをゲットしてから、ご連絡もうしあげます。
Rédigé par : 中井亀之助 | dimanche 03 juillet 2005 à 16:16
時間が合えば、私は全然構わないですよ>中井さん。
Rédigé par : 小倉秀夫 | dimanche 03 juillet 2005 à 16:07
>小倉先生(中間解ですが)
企業人のコスト計算からすると、事後対処より事前予防の方が費用対効果がよいのはご存知だと思います。基本的な戦略としては、コストを意識しつつ事前予防で対処できるところは事前予防で対処した方が良いでしょう。
先生がご指摘のとおり、事後に法的対応をとると「絶望的に長くかかる民事訴訟」のラビレンスに迷い込むので、訴訟コストも考えれば、たいていの法務部では訴訟(特に本案)を避けるだけ避けて最後の手段としています。特に「匿名に隠れた卑怯者」が資産のないネット遊民プータロだったら損害賠償判決を得ても、いや発信者情報開示の訴訟コストをかけた段階ですら、損害賠償は絵餅に帰して訴訟コストだけ大損するのでますます二の足を踏むでしょう。
したがって、裁判手続による発信者情報の特定問題に至る前に、事前対処で防止できるところは防止しておいた方が良いと思います(予防法学というそうですね。)。
【匿名プロクシ等】によるトレースバック不能問題は、匿名プロクシ経由のアクセスを遮断する(しかし企業等の防火壁のプロクシはスルーする)という事前対処が妥当だと思います。そのようなサービス(CGI等で情報提供)を専門に行っている業者もいますので、このような業者をアウトソーシング的に使えば、ささやかなコストアップで済みますし、何よりも見たくもない罵倒系の誹謗中傷を事前に弾いて読まずに済むというメリットがあります。これは
【ラストワンマイル問題】は、別のエントリにも書きましたが、パソコンの管理者に発信者と同等の損害賠償責任を不真正連帯債務で負わせ、使用者責任(民法709条)同様の処理をすれば何とかなると思います。コレの法的対応は生体認証という技術的対応のコストよりはるかに有利だと思います。副産物のメリットとしては、ハードとしてのパソコンを管理する責任を管理者に自覚させて遺漏無きを図るようになるということが掲げられます。
【ISP等のログ保存問題】は、米国のように企業側が自己の免責を図るために自主的に1年程度は保管する社会となるのが理想です。しかし、不正アクセス禁止法制定時に「ログ保存義務」を立法化しようとした際に産業界の強力な反対や抵抗にあったことを見れば、現段階では、理想の実現は困難でしょう。
そこで、ISP等がログを保管していなかったことにより発信者を特定できなかった場合は、ISPが発信者と同等の責任を負うという法制により、間接的にISP等にログの保管を強制するというのはいかがでしょうか?ただ、そのままではISP等の強力な抵抗に遭うのは必至なので、保管期間を1年としてこれを超えたら免責にするという飴も必要でしょう。
この法制はウチの法務部が大反対なのですが(だから私も匿名でしか投稿できないのです)、世界的潮流と長期的視野から短期間のログ保存義務は避けて通れないと思います。これは小倉先生のようなIT弁護士が是非声を大にして啓蒙していただきたいと思います。
【ISPへの虚偽会員情報登録】問題は、別のエントリに書いたとおり、公的書類で本人確認を行うことが義務付けられている銀行へISPの登録を委託することを義務付けるというのが最もコストが低いビジネスモデルと思います(ただし抜け穴はありますが)。
先生が提唱する【共通ID構想】は、おそらく先生がTCP/IPの基礎知識やシステム設計の実情を全くご存じないため「大和魂による必勝の信念」紛いの大いなる幻想を抱いているためだと思いますが、莫大なコストアップとなりISPやネット業界がとても吸収できる範囲では収まりそうも有りません。
また【発信者情報開示訴訟】(ADRを使ってもADRの開示命令に対する訴訟をADR相手に起こされたら同じ)も、長い時間と訴訟コストを考えたら、たいていの法務部では「費用倒れ」という判断を下すと思います。
したがって、中間解で恐縮ですが、事後対処よりも費用対効果が良い事前対処で可能な限り対処して、事後対処で対応せざるを得ない部分を最小限に抑えるのが、企業人としてコスト低減を図る者の基本的戦略となるのです。
Rédigé par : FR@出張先 | dimanche 03 juillet 2005 à 14:41
イベントイメージとしてはですね。
「総務省情報フロンティア研究会報告書を読み解く」小倉先生プラス福田さん?(卑怯者をすっぱりと裁いてさしあげます)V.S.匿名ブロガー(おれたちはネットじゃ匿名だが実名もあるし卑怯でもないぞ)
(朝まで生テレビ風)
於:グローコム@西麻布
日時:7月後半~8月前半 平日夜1900-懇親会
てなかんじではどうでしょうか?
Rédigé par : 中井亀之助 | dimanche 03 juillet 2005 à 14:32
私は過去総務省の委員会委員を歴任していたことがり、今回の報告書の担当審議官は(テレビで見て気がついたのですが)友人です。
また先週公文先生よりグローコムの経営委員(国領先生と同様)を頼まれました。
というご縁もあり是非、今度先生と、役所のだれか、そしてもう一方、別のご意見をお持ちの方などで、ディスカッションを行い、ブログにて公開しませんか?
Rédigé par : 中井亀之助 | dimanche 03 juillet 2005 à 13:30
私は過去総務省の委員会委員を歴任していたことがり、今回の報告書の担当審議官は(テレビで見て気がついたのですが)友人です。
また先週公文先生よりグローコムの経営委員(国領先生と同様)を頼まれました。
というご縁もあり是非、今度先生と、役所のだれか、そしてもう一方、別のご意見をお持ちの方などで、ディスカッションを行い、ブログにて公開しませんか?
Rédigé par : 中井亀之助 | dimanche 03 juillet 2005 à 13:29
> 私は、自由と民主主義を標榜する先進国であって、サーバースペースの無法地帯化を積極的に進めている例を存じ上げないのですが。
・・「積極的」ってシバリはいらないっしょ・・
・・なんでまたそんな付加条件が・・
Rédigé par : irose | dimanche 03 juillet 2005 à 12:58