松田勇治さんの連載記事については、連載が終わってからコメントをつけようかと思っていましたが、いつ連載が終わるのか分からぬまま、ネット上で話題騒然となってきましたので、この辺でちょっとコメントをつけてみようと思います。
松田さんのレトリックの肝は、連載の第4回目に端的に表れているようです。
松田さんは、
では、いったい「祭って」いるのは誰で、その目的は何なのか?
一般的な了解として、「祭って」いるのは「2ちゃんねらー」ということになるだろう。
とした上で、
では、「2ちゃんねらー」とは誰のことか? もしくは何を指すのか?
と問題提起をします。そして、松田さんは、次のように述べます。
しかし、第2回でも触れたように、いまや2ちゃんねるを利用しているのは種々雑多な一般(とは呼べない層も含んでいるだろうが…)の人々であって、何か共通した意図や目的を持った集団などではない。wikipediaの定義も、そのことを踏まえた結果だろう。
実際、板やスレッドが違えば、まるで別世界のような温度差があるのが2ちゃんねるだ。とてもではないが一見さんにはおすすめできない、殺伐とした雰囲気の板やスレッドが多数あることは事実だが、まったりほのぼのな雰囲気を基本に進行している板やスレッドも数多く存在している。想像に過ぎないが、利用頻度の面ではディープな「2ちゃんねらー」でありながら、「祭り」に参加した経験はないという人もいるかもしれない。
そして、
何かと人騒がせな話の舞台になる機会が多いことと、それを報じるマスメディアの報道姿勢によって悪印象が先行している感があるが、万単位の人間が集まれば、その中に一定の割合で「ヘンな人」や「突出した行動に出る人」が含まれるのは当然の話である。
とした後に、
こうなると、もはや「2ちゃんねらー」という言葉は、つまるところ「世間」を指すとしか表現のしようがない。だとすれば、「祭って」いるのは「世間」ということになる。
と結論づけます。
しかし、この論理は明らかにおかしいです。「一部の人」メソッドを正しく活用するのであれば、「祭って」いるのは、2ちゃんねるのユーザーの中に一定の割合で含まれる「ヘンな人」または「突出した行動に出る人」にすぎないという結論を導くべきです。「まったりほのぼのな雰囲気を基本に進行している板やスレッド」を利用するにとどまり、「『祭り』に参加した経験はないという人」は、「祭って」いる人には含まれないのですから、「まったりほのぼのな雰囲気を基本に進行している板やスレッド」を利用するにとどまり、「『祭り』に参加した経験はないという人」をも広範に含むが故に松田さんが「2ちゃんねらー」をさして表現しているところの「世間」が「祭って」いると表現するのは論理的に間違っているということができます。
ひょっとしたらこの後の連載で触れるつもりなのかもしれないので現時点でその点についての言及がないことについて批判をするのはおそらく早計なのですが、「いったい『祭って』いるのは誰で、その目的は何なのか」を松田さんが論じたいのであれば、「2ちゃんねらー」の中でもどのような特徴を持っている人々がどのような目的で「祭って」いるのかに言及すべきなのであって、そのような言及がないのであれば、「いったい『祭って』いるのは誰で、その目的は何なのか」についての松田さんの回答としては明らかに不十分だということが言えそうです。
【今日聴いた曲の中でお勧めの一曲】
"Find a way"
by J-Five
>「祭って」いるのは、2ちゃんねるのユーザーの中に一定の割合で含まれる「ヘンな人」または「突出した行動に出る人」にすぎないという結論を導くべきです。
一応、松田さんは、一部の人が祭っているという小倉さんと同意権だったわけで。
誤読で批判した部分は訂正しておいたほうがいいんじゃないかと思うんですが。
他の人のブログなら、私が反論を述べているのでそれを読めば盲目的に誤読を信じるということはないのでしょうが、
ここでは、匿名の意見は一段下、実名の意見は一段上、 と信頼性に格差があるとAuther直々にが明言しているのですから、匿名の私が訂正しただけじゃあ、皆さん満足されないのでは?(苦笑)
間違ったまま批判した文章なんて読む価値ないですし、せっかくですから訂正してから批判してみてくれると面白いかもしれん。
Rédigé par : サスケット | dimanche 20 novembre 2005 à 22:27
Typeキー認証がないとコメントできなくなったのですね。ところで、この記事で小倉さんは何をおっしゃりたかったのでしょうか?「・・・ということができます。」とか「・・・言えそうです。」では、小倉さんのお考えが伝わってきません。松田さんの記事の方が説得力あると感じますし、分析力にしても数段上のように感じました。(匿名の陰に隠れた卑怯者の感想です。失礼はお許し下さい)
Rédigé par : 弁天小僧 | vendredi 18 novembre 2005 à 20:38
>松田さんの回答としては明らかに不十分だということが言えそうです。
この日経BPの連載は巷で話題になっていたのもあって、筆者である松田氏も少し気負い過ぎてしまい、不十分な論述となってしまったのではないかなという気がします。
>森さん
>この文章のお陰で、松田さんは何を言いたいのかがよくわからなくなりました
結局松田さんは「『祭り』は『世間』の縮図である」という類のことをおっしゃりたいようですね(一方で「世間」の「本音」って何?という別の疑問が出てはくるのですが)。
Rédigé par : 福田 | lundi 14 novembre 2005 à 14:56
実は小倉さんの引用文の直後に、
>正確を期すなら「世間の一部」もしくは「一部の世間」と表するべきだろうが、その「一部」がどの程度の割合なのかはまったく判断できない。
という文章があるのですが、この文章のお陰で、松田さんは何を言いたいのかがよくわからなくなりましたww
祭りを分析するには、その「一部」はなんなのかを分析せずに何を分析するんだろうかと。
Rédigé par : 森 | lundi 14 novembre 2005 à 11:01
あ。
3度読み直して誤読のポイントがわかった。王大人完璧に誤読ポイント確認。
>嫌がらせをしているのは「ヘンな人」であって「世間」ではないよなあ
松田さんは2chという世間があって、その中の一部が祭やって…という風に繋げているのに、
小倉さんはその「一部」のほうを「松田さんが世間と呼んでいる」と解釈しているのか。
そこが間違ってるんですね。
松田さんは「祭りやっていない物も含めた2ちゃんねらー全体=世間」「世間に含まれる変な人」といっていますが、
小倉さんは「変な人」=「嫌がらせをしている人」=2ちゃんねらー=「世間」と読んでいるというワケ。
松田さんは2ちゃんねらーを世間と呼んでますけど、嫌がらせする人を世間とは読んでません。
>嫌がらせをしているのは「ヘンな人」であって「世間」ではないよなあ
その証拠がこれ。
>だからといってその点だけをフレームアップし、地域や組織全体を「ヘンな」呼ばわりされたら心外ではないだろうか。
Rédigé par : サスケット | lundi 14 novembre 2005 à 02:20
おっと、これだと誤読されるかな…。追記追記。
「法律に違反しないようなデモ行進とかのレベルをさらに超えて、立ち入り禁止の建物でビラくばりしたりとか調子に乗った変な人が現れる」
とかも世間には良くありますよね、ということかと。
Rédigé par : サスケット | lundi 14 novembre 2005 à 01:01
要するに、
「テレビの発言見て抗議の電話が殺到する」
「変な人はそれどころがデモ行進したり、会社の周りを囲んだりする」
という「世の中にたまにある」現象と類似しているから「世間」と言っているのだと解釈しましたけど。
Rédigé par : サスケット | lundi 14 novembre 2005 à 00:58
無言電話を執拗にされたり、注文していないものが自分の名前で注文されたり、脅迫状っぽいものが届けられたりという嫌がらせを受けているのだけど、誰からそのような行為を受けているのか分からないってことは世の中ではたまにあるわけですが、この場合、嫌がらせをしているのは「ヘンな人」であって「世間」ではないよなあと、私は思います。
Rédigé par : Hideo_Ogura | dimanche 13 novembre 2005 à 23:07
>「いったい『祭って』いるのは誰で、その目的は何なのか」についての松田さんの回答としては明らかに不十分だということが言えそうです。
その答えは書いてあるじゃないですか。
>こうなると、もはや「2ちゃんねらー」という言葉は、つまるところ「世間」を指すとしか表現のしようがない。だとすれば、「祭って」いるのは「世間」ということになる。
> より正確を期すなら「世間の一部」もしくは「一部の世間」と表するべきだろうが、その「一部」がどの程度の割合なのかはまったく判断できない。
>http://dictionary.goo.ne.jp/search.php?MT=%90%a2%8a%d4&kind=jn
>(1)人々が互いにかかわりあって生活している場。世の中。また世の中の人々。
それは判然としないものだ、という結論ということ。
小倉さんの言うとおり、
・2ちゃんねらー、という一くくりで「ほのぼの」から「いけいけ」までをまとめられない
・一定の割合でしかない
からこそ、「誰?」という定義が出来ず、曖昧に「世間みたいなもの」というしかない。
良くある言い回しの『これだから「2ちゃんねらー」は~』という言葉は、『世間はこれだから~』というようなものでしかない。なぜならイロイロいますからー、ということをいいたいのでしょう。
世間を『ALL』の意味で捕らえると最後の一段落「祭っているのは一部」が全然意味通じなくなります。と誤読気味です。
A.「一部だけどようわからん」⇒結局誰とは確定しない
ということですな。
Rédigé par : サスケット | dimanche 13 novembre 2005 à 22:46
このようなエントリを書かれたということで、“ネット右翼”というのは誰で、その目的はなんなのか?というのを「よくわからない」ということを表明して以降は小倉さんは自分の意見を表明しないままにずっと過ぎていること、またそんな言葉が不明な状態で“ネット右翼”という表現を小倉さんはしばしば使われてきたことに思い至ってほしいものです
Rédigé par : U-me | dimanche 13 novembre 2005 à 21:10
だからこそ、貴方の論理は明らかにおかしいです。
>2ちゃんねるのユーザーの中に一定の割合で含まれる「ヘンな人」または「突出した行動に出る人」
というのは、その前の「それを報じるマスメディアの報道姿勢によって悪印象」の部分に対するものであって、そういう表層的なイメージだけで2チャンネルを捉えてはいけないだろう、といっているだけです。
>「まったりほのぼのな雰囲気を基本に進行している板やスレッド」を利用するにとどまり、「『祭り』に参加した経験はないという人」
とこの何の関係もない2種類を関連付けている部分もありませんし、いきなり何の根拠なくこの2つを関連付けて「祭って」いる人には含まれないことを理由に広範に含むのだから、「世間」が「祭って」いると表現するのは論理的に間違っていると結論付けるのは論理的でないということができます。全く筆者の意図内容と違うことを言っているのでひょっとしなくても後に触れられることはないでしょう。単に「ヘンな人」という単語に吊られて訳が分からない反論をしてみただけだということもできます。
>松田さんの回答としては明らかに不十分だということが言えそうです。
くだらない言葉遊びや論理遊びで人の意見を茶化す暇があったら、大峰山問題で攻撃?した人が、「むしろ男女が平等に扱われることに不満を抱いている人々」であると結論付けた根拠について言及する方が有益であると言うことさえもできます。
Rédigé par : 平田 | dimanche 13 novembre 2005 à 21:09