あるウェブサイトの開設者に対し責任追及をすべく、当該サイトが用いているドメイン名についてwhoisで調べていたところ、このエントリーの末尾記載のような表示がなされました(ただし、冒頭の数行は削除して引用)。
個人情報保護の観点から登録者に関するある種の情報はwhoisのような誰でもいつでも利用可能なデータベースでは表示されないようにするというのは各トップレベルドメインごとに登録管理事業者が決めたらいいことだと思います(ですから、自然人が登録者となっている場合に限り、登録者の氏名・住所等はwhoisでは表示できず、ドメイン名に関して交渉したり仲裁ないし訴訟を提起したり、あるいは当該ドメイン名を用いて開設されているウェブサイトにおいてなされている権利侵害行為の被害者が権利侵害行為の中止や損害の賠償を求めて交渉をしたり訴訟を提起したりする等の正当な目的がある場合には登録管理業者が登録者の氏名・住所等を開示するというシステムは選択の余地があるとは思います。)。しかし、ドメイン名の代行登録業者が自社の所在地を登録者の所在地とし、自社の電話番号を登録者の電話番号とし、自社のメールアドレスを登録者のメールアドレス年、自社を登録者の属する組織とし、「Whois Protect Service」という自社のサービス名を登録者名として登録するのは、さすがにまずいのではないかと思います。
この場合、GMO自体は、自社サーバをレンタルしていない限り、開示関係役務提供者にはあたらないので、プロバイダ責任制限法第4条第1項に基づく発信者情報開示義務を負わないということに法的にはなるのですが、だからといって、GMOが実質的なドメイン名登録者=当該ウェブサイトの開設者の氏名・住所を開示しない場合は、被害者は、法的な権利の救済を求める手段を失うこととなりかねません。
まあ、実践的には、whoisに掲載されている事実は真実であるということを前提として、主位的には、問題のウェブサイトの開設者である「Whois Protect Service」というのはGMOの一セクションであるとしてGMOに直接侵害者としての責任を追及するとともに、予備的に、「Whois Protect Service」によって匿名でウェブサイトを開設する機会を提供することによって実質的なドメイン登録者=当該ウェブサイトの開設者が違法なサイトを開設することを幇助したとして(少なくとも、「Whois Protect Service」の利用者の中には、そのサイトの開設者が自分であることが知られると都合の悪い者が少なからず含まれ得ることは予見可能なので、「Whois Protect Service」の利用者のサイトを定期巡回して違法なコンテンツが掲載されていないかを監視する義務を負わせることは可能であると思います。)、GMOに対し幇助者としての責任を追及することになるとは思いますが、それはそれであまり健全な姿ではないように思います。
Registrant Name: Whois Protect Service
Registrant Organization: GMO Internet, Inc.
Registrant Street1: CERULEAN Tower
Registrant Street2: 26-1 Sakuragaoka-cho
Registrant City: Shibuya-ku
Registrant State: Tokyo
Registrant Postal Code: 150-8512
Registrant Country: JP
Registrant Phone: 03-3464-8727
Registrant Fax: None
Registrant Email: [email protected]
Admin Name: Whois Protect Service
Admin Organization: GMO Internet, Inc.
Admin Street1: CERULEAN Tower
Admin Street2: 26-1 Sakuragaoka-cho
Admin City: Shibuya-ku
Admin State: Tokyo
Admin Postal Code: 150-8512
Admin Country: JP
Admin Phone: 03-3464-8727
Admin Fax: None
Admin Email: [email protected]
Billing Name: Whois Protect Service
Billing Organization: GMO Internet, Inc.
Billing Street1: CERULEAN Tower
Billing Street2: 26-1 Sakuragaoka-cho
Billing City: Shibuya-ku
Billing State: Tokyo
Billing Postal Code: 150-8512
Billing Country: JP
Billing Phone: 03-3464-8727
Billing Fax: None
Billing Email: [email protected]
Tech Name: Whois Protect Service
Tech Organization: GMO Internet, Inc.
Tech Street1: CERULEAN Tower
Tech Street2: 26-1 Sakuragaoka-cho
Tech City: Shibuya-ku
Tech State: Tokyo
Tech Postal Code: 150-8512
Tech Country: JP
Tech Phone: 03-3464-8727
Tech Fax: None
Tech Email: [email protected]
Name Server: eis1.keysweb.jp
Name Server: ns1.big.or.jp
不特定多数の人が見るブログに、他人のwhois情報を晒す神経が理解できない。ましてや、国民から法的特権を委託されている弁護士という肩書きを持った法律に従事する者がやることではないと、強く思う。まるで、私刑の進めを説いているようにしか見えない。早急にブログに掲載しているwhois情報を削除することを要求します。
Rédigé par : 弁天小僧 | jeudi 03 août 2006 à 11:51
小倉先生>
俺は法律や規則はよくわからんけど、法律や規則で禁止されてなけりゃ何やってもいいわけじゃないと思うよ。ネットで他人のメアドや電話番号を無断で曝すのは、法律や規則以前に、""ネットのマナーやモラル""に反することでやってはいけないと思うがね。
>アドミニスレターの電話番号といっても、ここにかけてもテープが自動的に流されるだけですし、スパムをやるつもりならwhoisで調べてやればいいだけの話ですから(adminにスパムをかけて何が面白いのかわからないのですが)
こういう言い方されると、""対策をとっているんだから荒らしていい""とか、""無意味なことをする奴が理解できないから曝して構わない""とかの開き直りとしか読めないよ。俺は賛成できん。
Rédigé par : VUPstar | jeudi 03 août 2006 à 10:32
>スパムをやるつもりならwhoisで調べてやればいいだけの話ですから(adminにスパムをかけて何が面白いのかわからないのですが)
そうなんですか。昔の雑誌で読んだことあるんですが、自動的にWEBを巡回してメアドらしきものを収集するプログラムみたいなのがあるので無闇に自分のメアドやましてや他人のメアドをネットには書かないほうが良いってあったんですが最近はそんなことなくなったんでしょうか?
adminというのが何のことか私には分からないけどスパムが行っても大丈夫なものなんですかね。多分、面白いとかじゃなくて自動でやっているだけなので関係ないと思いますけど。
ちなみに、自分には何が面白いかわからないことをやる人はいない、という考えが成り立つとしたら社会って随分楽チンですよね(笑)。私は、匿名さんたちを卑怯とか臆病とか低レベルとか馬鹿とか罵って何が面白いかわからないのですが、いるんですよねそういう人は。もしよかったら、何が面白いのか教えてもらえませんかね。
Rédigé par : 平田 | mercredi 02 août 2006 à 20:23
whoisに掲載されている個別データに著作物性があるとする見解は、専門家の間ではあり得なさそうですけど。
アドミニスレターの電話番号といっても、ここにかけてもテープが自動的に流されるだけですし、スパムをやるつもりならwhoisで調べてやればいいだけの話ですから(adminにスパムをかけて何が面白いのかわからないのですが)
Rédigé par : Hideo_Ogura | mercredi 02 août 2006 à 19:17
もちろん、守秘義務に反しない範囲でやっていますので大丈夫です。
また、弁護士としての特権を活かして収集した証拠類もアップロードしていませんし。
本当の法曹関係者ならおわかりだと思うのですが、ここはいろいろな方が見に来て下さるので、思わせぶりなハンドル名を名乗ることが思わせぶりなことを書くと誤解を生む虞があるので、念のためコメントしました。
Rédigé par : Hideo_Ogura | mercredi 02 août 2006 à 19:11
>小倉先生
老婆心ながらですが、民事案件で収集した本件証拠をブログで公開するこは、合えて匿名法律家さんのご指摘のとおりの問題があるけど、それ以外に、本件依頼者の了解を得た上で公表したのかな? 了解を得ないで公表したりすると依頼者の何らかの権利を侵害する可能性もあるよ。
それに、依頼者の了解があったとしても、そもそも職務上で収集した証拠を一方的にブログで公開することは、相手方当事者の了解がない限り、下手をすれば守秘義務違反に触れるし、プライバシーを侵害することもあるから望ましくないと思うよ。
小倉先生のことだから大丈夫と思うけど、もしこれが刑事事件の証拠だったら、刑事訴訟法で訴訟目的外の使用厳禁が明文化されたから懲戒事案になっちゃうしね。
弁護士が職務上収集した証拠をブログで公開するのは、民事刑事を問わず考えた方がいいと思うよ。
Rédigé par : 匿名法律屋 | mercredi 02 août 2006 à 17:06
小倉先生お久しぶりですよ。
こうしてお話しするのは1年ぶりくらいですかな。
教え子から国際電話で「小倉先生のブログを至急見られたし」との連絡を受けて、ここを見たら、一声おかけしたくて投稿しようしたらワケワカメのデータ入力要求サイトに繋がったので、秘書にここまで辿り着けるように手はずを整えてもらって、何とかこうして書けるようになりましたで。
ところで、このスレッドのように、Whois情報をそのままカット&ペーストで3行を除いて全部貼り付けるのは問題があるんじゃあるまいか。
小倉先生のご専門のデータベース著作権侵害(レコードのほぼマンマコピーで公衆送信)はさておいても、民事的には約款に触れないだろうか?
>JPドメイン名登録情報等の公開・開示に関する規則
>株式会社日本レジストリサービス
> 公開:2002年3月31日
> 公開:2005年2月1日
> 実施:2005年4月1日
>
>第5条(WHOIS公開情報の利用方法および利用制限)
> WHOIS公開情報の利用方法は、当社が ウェブページ上に掲示する所定の方法とする。
>2. WHOIS公開情報の提供を受けた者(以下「情報受領者」という)は、「JPドメイン名登録情報等の取り扱いについて」(http://jprs.jp/doc/rule/dom-data-handling.html)に定める目的の範囲内で、自己の責任において当該の WHOIS公開情報を利用するほか、当社の書面による承諾なく、当該情報を第三者に提供しまたは公開、頒布してはならない。
>
>http://jprs.jp/doc/rule/disclose-rule.html
それに小倉先生のお立場と意見は判るが、釈迦に説法の失礼を省みずお伝えすると、世の中にはこういう考えもあるんでな。
第10回 JPOPM 提案(Proposal)
[提案010-01]: WHOIS登録ルールの変更提案
http://venus.gr.jp/opf-jp/opm10/p010-01.html
それはさておいても、会社名や住所や代表電話番号はまだしも(もっともこれらの無断掲載ですら違法という判例があるのは先生もご存知のとおり)、イチ従業員に過ぎないアドミニスレータの直電の電話番号やメアドを公にするのはいかがかと思うぞ。というのは、電凸やスパムの誘引になるので(威力業務妨害や偽計業務妨害を誘うので)普通は禁じ手じゃあるまいか? 匿名投稿で有名な某巨大掲示板だって、メアドや電話番号を投稿した場合は請求あり次第即刻削除しているんだが。
よろしかったらご検討をお願いするよ。
Rédigé par : 敢えて匿名法律家 | mercredi 02 août 2006 à 02:28